業界で活躍する先輩・企業

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卒業生サポート

ステップアップの為の転職や、新たなポジションを任された際に練習するための施設利用など、卒業後も1人ひとりをしっかりバックアップしています。

転職サポート

キャリアアップのための転職相談・求人紹介を行っています。

キャリアセンターには、企業様から、卒業生向けの求人情報を数多くいただきます。卒業生1人ひとりにあった求人情報を提供しています。

卒業生施設利用

自主練習ができるよう実習室を開放しています。

就職後も、製菓・製パン・調理や、ラテアートの反復練習など、様々な自主練習が可能。開業時の試作や、商品開発練習など使用用途は多様。卒業後のスキルアップなど、サポート体制は万全です。

インタビュー

柏谷さん(2020年卒業)

株式会社 桜珈琲 泉北店店長

製パンコースに入学しましたが、学生時代は製菓や調理・カフェなど幅広く学ぶ事が出来ました。その経験は今の仕事にも活かされています。
オープンキャンパスに学生スタッフとして参加した事がきっかけで、接客の楽しさを知り、現在の職場である桜珈琲に就職しました。
お客様から「ありがとう」「美味しかったよ」とお声掛けいただいたり、常連のお客様が異動先にわざわざ来て下さったりと、大きなやりがいを感じています。
現在は店長として、日々の業務に加えて、後輩の指導にも取り組んでいます。
仕事で悩む事もありますが、仲間と一緒に学びながら働く毎日は、本当に楽しいです。
将来は小さくてもお客様に愛されるようなお店を開きたいと考えています。

安井さん(2018年卒業)

Mia Via

今は、人形の形のウェディングケーキも担当しています。忙しい式場なので、時間内に必要数のケーキが作れるようにならなければ、次の段階を学べません。ウェディングケーキは一生に一度のシーンで使われるケーキです。何度も練習するのはもちろんのこと、学生時代たくさんのシェフから学んだ手法から、状況に合ったものを選び、効率を上げています。この世界に入るきっかけの一つが、母と一緒にケーキを作ったことなので、完成したウェディングケーキの写真を母に見てもらうことも。入学前からブライダルを志望しており、就職担当の先生の紹介で選んだ職場ですが、人間関係が良くて感謝しています。
業務でパソコンを使用するときなど、せっかくパソコンを学べたのだから、もっと知識をつけておけば良かったと思います。是非、座学も大事にしてください。

藤井さん(2020年卒業)

SoLiLite

今の職場であるソリリテの橋本シェフが授業に来て下さり、その時教えて頂いたブラウニーは、チョコ感も食感も初めてのおいしさでした。実は今では私がブラウニーを担当させて頂いています。チョコは少し温度が違うだけで状態が変わるので難しいけれど、ステップアップしている実感があり、子どもの頃一緒にお菓子作りをした母に、来年は誕生日ケーキを贈るつもりです。シェフから「自分自身のファンを増やしなさい」と指導されており、笑顔の接客はもちろん、インスタグラムでも交流を広げています。在庫補充や声かけなど、授業の中で何気なく聞いていたことが、今とても役に立っています。みなさんも先生の仰ること全て大事にしてください。また、気になるお店があれば、時間のある学生時代に訪問しておく方が後悔しません。

松江さんさん(2020年卒業)

リーガロイヤルホテル(大阪) 製パン課 

在学中はパン職人として目標になるような、素晴らしい先生方から日々学んでいました。
学生時代はそのありがたさに気付けませんでしたが、もう一度学生に戻って学びたいと心から思います。
今の職場を志望したのは、憧れていた鈴木先生が活躍されているホテルだからです。学校で教わった先生が上司だと心強いですね。
日々覚える事があって大変ですが、バゲットを任せてもらう事を目標に頑張っています。
現在はクロワッサンの成形を担当しており、温度管理に気を付けながら、仕事に取り組んでいます。綺麗な層が形成された時は嬉しく、やりがいを感じます。
学校では自主練習が自由に行えるので、後輩のみんなに積極的にチャレンジして欲しいですね。

渡部さん(2019年卒業)

株式会社トランジットジェネラルオフィス

ホールの仕事がしたくてこの会社を選びました。和食やカフェなどさまざまなお店をプロデュースしており、異動のたびにお客様の層が変わるので、いろいろな体験ができるのが楽しいです。
学校でしっかり勉強したラテアートを、お客様のリクエストを受けて描く事もあり、描いたラテアートをお客様に「可愛い」と喜んで頂けると、幸せな気持ちになります。
また、今の職場であるアイスクリーム店には多種のフレーバーがあるので「お薦めを教えて」と言われることがあり、選んだアイスに満足頂けると嬉しくなります。
在学中に経験した、商品を考えて提供するまでの流れを体験できるワンディショップの授業は、商品開発に役立っています。今はアシスタントマネージャーですが、頑張ってマネージャーになり、新店舗の開発にも取り組みたいです。

卒業生インタビュー×上島 達司 氏

コーヒーの未来をより豊かにするのは
若い世代の新鮮な感覚やアイデア
UCCホールディングス株式会社

1933年の創業以来「いつでも、どこでも、一人でも多くの人においしいコーヒーを届けたい」という創業精神のもと「カップから農園まで」、一貫した事業を展開する、世界有数のコーヒーグループ企業。

ユーシーシーフードサービスシステムズ株式会社

UCCグループ外食事業部門として、企業理念「The coffee Hospitality」の実現をめざし、多様な業態を展開。お客様の笑顔のために、美味しいコーヒーの提供と心地よい空間の創造に挑戦し続ける。

  • ▲ 上島珈琲店 Ueshima Coffee Lounge

  • ▲ カフェラ CAFFERA

Interviewee

上島 達司 氏

滋慶学園COMグループ 名誉学校長
UCCホールディングス株式会社
代表取締役会長

兵庫県神戸市出身。1961年に甲南大学経済学部を卒業し、UCC上島珈琲に入社。1963年に取締役に就任し1965年8月に副社長に就任した。1980年6月に社長に昇格し、2009年4月から会長を務めた。1995年4月に藍綬褒章を受章し、2008年11月に旭日中綬章を受章した。中南米でも数々の勲章を受章した。

Interviewer

  • 馬場 有希さん

    カフェラJR京都伊勢丹店
    【コース】カフェ総合マネジメント
    【卒業年】2010年3月

  • 近藤 光瑠さん

    カフェラJR京都伊勢丹店
    【コース】カフェ総合マネジメント
    【卒業年】2018年3月

インタビューを読む

農園から店舗のサービスまで
どこを切ってもコーヒーは面白い

上島  これまで60年以上コーヒーの仕事に携わってきて、コーヒーというのはどこを切っても面白いものだとつくづく感じます。豆を栽培する海外の農園に始まり、船による輸送、焙煎、加工、店でのサービスまで、どの段階にもストーリーがあり工夫がある。今も探究心は尽きません。

馬場  私はカフェの店長を務める中で、人とのつながりが広がることに喜びを感じています。日々の接客もそうですし、バリスタの大会などを通して海外の人とも交流を深めてきました。コーヒーは突き詰めるほどに奥が深いと実感します。

近藤  私はもともとコーヒーに今ほど強い関心はなかったのですが、それが変わったのは学校の授業で初めてエスプレッソを淹れた時です。満足のいく味に全然ならず、「もっとおいしくしたい」と練習を重ねるうちに夢中になりました。

上島  そう、興味や好きという気持ちが自分を高める力になります。自分からどんどん新しいことを学んで経験を広げることが大切。そうやって仕事というのは自分でいくらでも面白くできます。

馬場  世界中のコーヒーを味わってこられた上島会長にとって、おいしいコーヒーとは何ですか。

上島  朝出社して最初に飲む、秘書が淹れてくれるコーヒーが一番おいしいね。熱すぎず、量は70ccほどと少なめで、それがちょうどいい。

近藤  お好みに合わせて丁寧に淹れられたコーヒーなのですね。私もお客様に心を込めた1杯をお出ししていきたいです。

時代は変わり続けるからこそ
若い世代の感性やアイデアが大切

上島  時代とともにコーヒーの飲まれ方も変わりました。紙のカップで歩きながら飲むことも皆さんにとっては日常でしょうが、かつてはなかった光景です。時代が変われば、お客様も変わる。だからこそ若い皆さんの感性やアイデアが大切で、私も日頃から進んで若い人の声に耳を傾け、商品やサービスを考えるヒントにしています。

近藤  入社6年目の今、社員として学生アルバイトも含めたスタッフを指導する立場でもあります。自分自身や、さらに若い世代の視点も活かせるような店作りに努めていきたいと思います。

上島  一方で、シニア世代のニーズにも商品開発のヒントはあります。たとえば、年齢にかかわらずどなたでもおいしく飲めるような工夫が、これからはより重要になってくるでしょうね。

馬場  様々な年代や立場のお客様がいらっしゃることを心にとめたいです。お客様お一人おひとりに寄り添える店をめざして、まだまだできることはたくさんあると、お話を聞いて感じます。

上島  会議用にコーヒーをポットに入れて販売するサービスはすでにあるけれど、店内でもコーヒーをポットで提供するサービスがあってもいいと思わない? 小さいカップにその都度自分で注げば、最後まで冷めずに味わえるでしょう。

近藤  コーヒーを注ぎ合ったりして会話も弾みそうですね。新しいサービスや商品の発想のタネは、身近なところにもあるのだと勉強になります。

「なくても困らないもの」を
「なくてはならないもの」に

上島  2人が勤務するのは京都駅のすぐ近くの店舗ですね。外国人のお客様が多く来店されるほか、時にはお坊さんもお越しになるでしょう。

馬場  はい。いらっしゃいます。

上島  お坊さんがカフェでコーヒーを飲まれる姿は絵になって素敵ですよね。京都では見慣れた光景でも、ほかの土地の人が見れば相当に珍しい、という良い例です。「住めば都」というけれど、自分がいる環境に慣れすぎないことも大切。感覚をフレッシュに保つことでアイデアは生まれます。

近藤  私はずっと京都で暮らしてきて、慣れて見過ごしていることも多くある気がしています。意識して新しい知識や情報に触れ、色々な場所に足を運んで視野を広げることに努めたいです。

馬場  私はこれまでUCCでアルバイト、一般社員、店長とキャリアのステップを踏んできました。それぞれの立場で培った視点を、より良い店作りやサービスに活かしていきたいと思います。

上島  嗜好品であるコーヒーを「なくても困らないもの」から、いかにお客様にとって「なくてはならないもの」にするか。コーヒーの仕事に携わる私たちの、創意工夫のしどころでしょう。

汗を流して奮闘した経験が
未来の自分を支える土台になる

近藤  上島会長ご自身は若手社員の頃にどのような経験をされてきましたか。

上島  営業をしていた当時は力仕事も多かったですよ。1袋60kgあるコーヒー豆の麻袋を肩にかついでお得意様に届けたりね。豆を焙煎する機械は建物の上の方に置かれることが多いので、エレベーターのないビルの5階にも徒歩で運んでいました。だから一度にたくさん注文を頂いた時は、うれしいけれど大変で。そうやって汗水を流した経験が自分の土台になりました。

近藤  これまでバリスタの大会に何度か挑戦し、苦手だったプレゼンテーションにも工夫を重ね、全国3位になれた経験が今も新しいことに挑戦する支えになっています。これからも積極的にチャレンジしながら成長していきたいと思います。

上島  若い人のチャレンジというのは、実験みたいなものでいいんです。うまくいかなくても当たり前。常に前向きに挑む姿勢や、はつらつとした元気さがあれば、チャンスは広がるはずです。

馬場  私は店長として、お客様にこの先も長く愛され続ける店作りをすることが目標です。お客様や働いているスタッフが将来、お子さんやお孫さんを連れて2代3代で訪れるような、地域に深く根付くお店を実現していきたいと思います。

上島  自身を磨きながらコーヒーのプロとしてこれからも活躍してくれることを期待しています。

卒業生インタビュー×リシャール・ルデュ氏

多くのファンが憧れるパティスリーが
独創的なスイーツを生み出し続ける秘密

ペーアッシュ パリ ジャポン株式会社

1998年、東京赤坂のホテルニューオータニに世界一号店となる「ピエール・エルメ・パリ」を出店。多くのスイーツファンから絶賛を浴びる同社は、既成概念に囚われないパティスリー界の枠組みを超えた“次世代のパティスリー”へと進化し、発展を続けている。

Interviewee

リシャール・ルデュ氏

滋慶学園COMグループ 名誉教育顧問
ピエール・エルメ・パリ アジア支部代表
ペーアッシュ パリ ジャポン株式会社 代表取締役社長

フランス・クレモンフェラン生まれ。15歳から地元のレストランに入り’89年より菓子店で基礎を学ぶ。’92年「ピエール・ガニェール」で料理人として働き、同レストランでパティシエに転向。’95年「フォション」でピエール・エルメ氏と出会い、’97年ピエール・エルメ氏がコンサルタントを務める「ラデュレ」のシェフパティシエに就任。’98年にホテルニューオータニでの「ピエール・エルメ・パリ」の立ち上げに際して来日。以来、日本での統括シェフパティシエを経て、日本代表とアジア支部代表を務める。

Interviewer

  • 藤田 晶子さん

    ぺーアッシュ パリ ジャポン株式会社
    ピエール・エルメ・パリ
    【コース】パティシエ&ショコラティエ
    【卒業年】2021年3月

  • 岸本 真琴さん

    ぺーアッシュ パリ ジャポン株式会社
    ピエール・エルメ・パリ
    【コース】パティシエ&ショコラティエ
    【卒業年】2021年3月

インタビューを読む

新しい体験を届けるクリエイター
それが私たちの仕事

岸本  ピエール・エルメ・パリでは、1~2カ月ぐらいの短期間で、新作のマカロンやケーキがどんどん生まれます。私は製造の仕事をしていますが、意外な素材の組み合わせばかりで、働き始めた頃はいつも驚かされていました。

ルデュ  スイーツというより、料理向けの素材を使うことも珍しくないからね。私はもともと料理人だったんです。料理の世界で使っていた素材をスイーツに使ったりして、新しい組み合わせが生まれているんですよ。

藤田  私は店舗での販売を担当しているので、開発に関わっているわけではありませんが、伝統菓子に新しいエッセンスを加えるのはすごく難しそうです。

ルデュ  そうだね。ただ、伝統といってもフランスの洋菓子の歴史はまだまだ浅いんです。マカロンの文化も、もともとあったものではないしね。冷蔵やショーケースなどの技術の進歩によっても、スイーツのあり方はどんどん変わっています。だから使う素材にルールはないし、パティシエたちは社会の変化にあわせて、新しい味を生み出してきたんです。
3年ぐらい前から、ピエール・エルメ・パリでは通常とは異なった素材で同じ甘さと香りを出す工夫を始めています。これもお客様の健康志向が高まって、グルテンフリー(小麦タンパクを使わない食品)やカロリーオフのお菓子が求められているからです。

岸本  新しいものが生まれる職場はすごく楽しいです。新作が生まれるたびに、担当チームの先輩たちにケーキの層にどんなものを使ったかとか、どのように仕上げたらこの見栄えになるかを聞いたりして刺激を受けています。
新作のアイデアを得るために、ルデュさんが心がけていることはありますか?

ルデュ  新しい組み合わせはいつも考えています。クリエイターとして、お客様に新しい体験をお届けするのが私たちの仕事ですからね。美術館を訪れて色味のヒントをもらうこともありますよ。ピエール・エルメ・パリでは日本の食材をよく使っているから、できるだけ生産者の方に会ってお話をうかがうようにしています。その食材がどこで、どのように作られているかを知ることで、その食材をどう扱えばいいかアイデアが生まれることがあるんです。

お客様の期待に応えるために
作り手の思いを伝える接客の仕事

ルデュ  2人がどんなきっかけでこの道に進んだのか教えてもらえますか?

岸本  私は小学生の頃からこの世界に憧れていましたが、両親に反対されて、高校時代の途中までは大学進学をめざしていました。
半ば強引に進路変更をしたのですが、決断して本当によかったと思っています。
自分がお客さんとしてスイーツのお店に行った時、以前なら「おいしいな」と思うだけだったのが、いまでは「こういう素材を使った組み合わせだからおいしいんだ!」と感じることができている。そんな自分の変化も含めて、いまがとても楽しいですね。

藤田  私は実家が農家なので、もともと食文化に興味がありました。兄がパティシエなので、職人は強い思いを持って商品を作っていることも知っていました。その思いを伝える仕事をしたいと思って、接客もスイーツのことも学べるコースのある専門学校に進んだんです。

ルデュ  接客の仕事は難しいでしょう?

藤田  はい。お客様と接していると、本当にピエール・エルメ・パリのスイーツを楽しみにしてくれているんだなと感じるんです。製造の担当者がどんな気持ちでこのスイーツを作ったんだろうと想像しながら、その魅力が伝わるような説明のしかたを考えたり、商品の並べ方を大切にしています。私がめざしているのは、スイーツが宝石のようにきれいに見えるショーケースです。
今は何でもネットで買える時代ですよね。だからこそ、対面で接客する力が求められていると思います。誇りを持って商品をご提供すれば、お客様は幸せを感じて、その輪を広げてくれるんです。接客って難しいですけど、幸せな仕事だなと感じますね。

世界中の仲間とともに
おいしいスイーツで幸せを広げる

藤田  スイーツに関わる仕事をめざす人は、学生時代のうちにいろんなものを吸収してもらいたいです。販売の仕事でも、商品を理解するためには素材の知識が必要です。知識は多ければ多いほど自分の強みになると思います。専門学校ではスイーツの開発プロジェクトがあったのですが、フレーバーに注目して紅茶を試したりした経験が印象に残っています。ふだんの食事でも、一つひとつの素材に注目してみると学べることはたくさんあるんですよ。食べ物以外からもインスピレーションを得ることができますから、固定観念にとらわれないことが大事だと思いますね。

岸本  学生時代を振り返ると、私はもっと外国語を勉強しておけばよかったと思っています。職場によっては、いろんな国の人と一緒に働くことになりますから。ピエール・エルメ・パリでのコミュニケーションは基本的に日本語ですが、それでも「フランス語がわかったら、もっとスムーズに伝えられるのに」とか「ドイツ語では何て言うんだろう?」と思うことが多いんです。せめて英語は自信を持って話せたらな、と思いますね。

ルデュ  食のコミュニティは世界に広がっていて、いろんな文化・人と出会うことができるし、世界中のどこにでも仲間がいます。そんな業界は他にないと思いますよ。毎日いろんなことを学べるし、私はこの仕事が大好きです。苦労も多いですけどね(笑)。

藤田・岸本  (笑)

ルデュ  それから、さっき藤田さんが「幸せな仕事」「幸せの輪が広がる」と話してくれましたが、私もその通りだと思います。おいしいスイーツを作れば、それを食べたお客様が幸せになります。接客の仕事なら、商品や食文化の説明を通して、お客様に幸せになってもらえるし、私たちの幸せにもつながります。私たちは幸せを作れるし、私たちはそういう仕事をしているんです。

卒業生インタビュー×アンドリュー・デブリト氏

星は、働いている人につく。
ホスピタリティは、人の幸せを思う心。

フォーシーズンズホテル東京大手町

東京・大手町の皇居に面した39階建て最上部に、2020年9月に開業したこれまでにないラグジュアリー体験をお届けする「フォーシーズンズホテル東京大手町」
ルーフトップテラスを備えたレストラン、最先端設備のイベントスペースなど充実した施設と、きめ細やかなおもてなしと上質なくつろぎを楽しめます。

Interviewee

アンドリュー・デブリト氏

滋慶学園COMグループ 教育顧問
リージョナル・バイスプレジデント 兼
フォーシーズンズホテル東京大手町 総支配人

1992年リージェントホテルクアラルンプール(旧フォーシーズンズホテル)にウエイターとして入社。フォーシーズンズホテル北京、フォーシーズンズホテルジャカルタ、フォーシーズンズリゾートアビアラ(現フォーシーズンズレジデンスクラブサンティエゴ、アビアラ)、フォーシーズンズホテル上海などを歴任。2019年フォーシーズンズホテル東京大手町総支配人に就任。

Interviewer

  • 本田 彩加さん

    フォーシーズンズ東京大手町
    PIGNETO(ピニェート)
    【コース】パティシエ&ショコラティエ
    【卒業年】2020年3月

インタビューを読む

自分がしてほしいように人に接する
創業時からのゴールデンルール

デブリト  フォーシーズンズホテルのホスピタリティをひと言で表すなら、「真心のこもったラグジュアリー体験をお届けすること」です。親しい友人を迎え入れるように心を込めてお客様をお迎えし、同時に、大切なゲストとしてきめ細かくおもてなしを致します。こうしたホスピタリティは、フォーシーズンズホテルの創業時からのゴールデンルールである「自分がしてほしいように相手にも接する」という考え方に基づくものです。

本田  ゴールデンルールは、私たち調理スタッフも含めたすべての従業員の心にも刻まれています。アンドリューさんご自身はホスピタリティをどのように捉えていますか。

デブリト  私自身が大切にしたいと考えるホスピタリティは、まさしくフォーシーズンズホテルのホスピタリティそのものなのです。だからこそ約30年にわたり、フォーシーズンズホテルひと筋でキャリアを歩み続けてきたといえます。

本田  ホテルの仕事にも様々なセクションがあり、本当にたくさんのスタッフが関わっていることを日々実感します。

デブリト  そうですね。ベルスタッフやハウスキーピング、調理スタッフ、ウェイターなど、ホテルで働く従業員一人ひとりにはそれぞれ果たすべき役割があります。総支配人である私も同様です。そしてそれらすべてが融合されて、いちホテルのホスピタリティとして提供されます。つまりセクションや職種は異なっても、めざすホスピタリティに違いはありません。どれかひとつでも欠けてしまうと成り立たないほど、すべての役割が等しく重要なのです。

ホテルがリピート客を獲得するうえで
料理のクオリティは重要な要素

デブリト  私はかつてレストランのウェイターからフォーシーズンズホテルでのキャリアをスタートしたんですよ。お客様に喜んでいただけることがうれしく、チームでの仕事も自分に合って楽しいと感じました。異なる国の文化や食べ物を知ることも好きで、これらの要素をすべて満たすホテルの仕事を続けようと心に決め、今に至ります。

本田  チームワークの大切さを、私も調理の仕事を通して学んできました。現在はイタリアンレストランのメインキッチンでお肉料理に携わっています。心がけているのは、お客様をお待たせすることがないよう手早く確実に調理をすることです。仕上げの美しさにも気を配り、盛り付けた後に必ずお皿全体をチェックするようにしています。

デブリト  味や香りに加えて見た目の美しさも料理の大切なポイントですね。お客様は料理を五感で楽しまれ、食に魅了されてホテルのリピーターになってくださいます。もちろん、新鮮で上質な食材を使い、安心してお召し上がりいただける料理を作ることも基本中の基本として重要です。調理を手がけるスタッフ一人ひとりも、十分な知識とスキルを身につけている必要があります。

本田  レストランでは毎年一つのテーマに沿った特別コースも提供していて、2023年度は「イタリア列車の旅」がテーマです。このイベントはどのようなきっかけで始まったのですか。

デブリト  ここ東京でイタリアにいるような感覚をお客様に味わって頂こうというのがイベントのコンセプトです。イタリア各地の郷土料理を日本の食材も駆使して仕上げることで、二つの文化の融合も表現しています。さらに、調理やサービスに関わるスタッフが、知識やスキルの幅を広げられるようにする目的もあるんですよ。

本田  実際にとても勉強になっています。コースの内容は毎月変わるので、年間を通して12の地域の料理を学ぶことができます。私たち調理スタッフも作っていてとても楽しいコースです。

情報やトレンドを知るだけでなく
自分で調べ、試してみることも大切

デブリト  近年お客様がホテルを選ぶ際に、より重要視されるポイントが大きく三つあります。一つ目はレストランの料理のクオリティ、二つ目がスパやウェルネスの充実度、そして三つ目が地域とのつながりやその街ならではのおもてなしです。このように、ホテルにおいてレストラン部門は極めて重要で、今後も注目度はさらに高まると私は見ています。特にフォーシーズンズホテルでは、料理を評価してリピーターになってくださるお客様が高い比率を占めています。

本田  調理のチームの一員として光栄ですし、改めて背筋が伸びる思いがします。お客様のニーズは時代とともに常に変化していることを心にとめて、日々の業務に臨みたいです。ホテルの仕事や、その中でも特に調理の仕事をしてみたいと考えている高校生にアドバイスはありますか。

デブリト  社会が急速に変化している今、食の世界においても技術の進化のスピードは目覚ましく、トレンドも刻々と移り変わっています。高校生の皆さんはぜひ、そうした動きを情報として知るだけでなく、自分で詳しくリサーチしてみたり、実際に試したり食べたりして、体験を通して理解を深めてほしいですね。自分で体験することによって、世界で何が起きているのかをより深く知ることができるからです。

調理を担うスタッフ一人ひとりも
ホテルのブランド力向上に貢献

本田  普段はキッチンにいてお客様と接する機会はあまりなく、だからこそ料理を通してお客様に喜んで頂きたいという思いが強くあります。一皿に集中し、心を込めて仕上げています。

デブリト  とても大切なことです。食を通してお客様に幸せな時間を提供することができ、リピーターとして帰って来ていただける。調理の仕事ならではの醍醐味といえるでしょう。フォーシーズンズホテルのレストランは高いレピュテーション(評判)を得ていて、スタッフ一人ひとりがそれに貢献しています。ぜひ誇りに思ってください。

本田  いつかは先輩たちのように、自分で考えたオリジナルレシピの料理をお客様にお出しし、喜んで頂くことが今の目標です。

デブリト  それには繰り返し練習して試行錯誤することが欠かせません。臆することなくトライを重ね、その都度シェフから助言を受けることで、目標に一歩ずつ近づけるはずです。「料理が好き」「お客様を喜ばせたい」という気持ちを、この先もチャレンジを続ける力にしてほしいと思います。

卒業生インタビュー×パティシエ

世界で一つだけの
「あなたのためのケーキ」の店

patisserie AYA
オーナー パティシエ

露本 綾子さん

Profile

2008年卒業の第4期生。神戸のパティスリーで6年ほど経験を積んだあと、実家のある徳島県阿南市に戻り結婚。現在3児の母で、子育てをしながらケーキ店で勤務。2022年12月、「あなたのためのケーキ」をコンセプトに完全予約制のオーダーメイドケーキ店、「パティスリーAYA」開業。焼き菓子の販売も行っている。

TOPIC

作ったホールケーキはインスタグラムに投稿。カットケーキは現在月2回の販売です。「限定」という響きと話題性で、最近はお昼過ぎに完売します。

インタビューを読む

夢を目標に変えた、
先生の言葉「夢に日付を」

物心ついた頃からパティシエになろうと決めていました。在学中、ある先生の「夢に日付を」の一言に「これだ!」と思い、ノートに「〇歳までに開業する」と書き出しました。その途端、夢が目標に変わりました。開業に向けていつまでに何をすべきか、次々に浮かんできた目標もしっかり書き留めました。おかげで結婚や出産といったライフイベントがあっても、ノートを元に計画を修正。ここしかないというタイミングで開業しました。ケーキ作りと販売は、子どもが保育園にいる9~16時まで。お客様の喜ぶお顔を想像して、段取り力と集中力をフル稼働させています。

地元農家の方々に感謝しながら、
地産地消でフードロスにも取り組む

地元農家の方々が丹精込めて作ったブルーベリーやマンゴー、苺がたっぷりのフルーツケーキは大人気!地産地消は、地元の人が地元のおいしい食材の存在を知るいい機会ですし、輸送にかかるガソリンやCO2の削減にもなります。パティスリーAYAではSDGsに取り組んでいて、ビニール袋は置かずスプーンやフォークもなし。お客様も、家にある保冷剤や保冷バッグを持参くださいます。またフードロス対策に、余って捨てていた焼き菓子の端なども格安販売。やりたかったことに挑戦しながら、誰の口にも合うシンプルで優しい味わいのケーキ作りに励んでいます。

卒業生インタビュー×ベーカリー

選ぶ楽しさ、出会う楽しさ。
お客様に「おいしくて楽しい」を
提供したい

パンのお店 ito
小塚 章彦さん

Profile

大学卒業後、パンの魅力に衝撃を受けてパン屋を開く夢を抱き、本校へ入学。ホテル系や外資系など5店舗でパン作りを学び、2017年4月に「パンのお店ito」をオープン。約60種類のパンや焼き菓子作りを一人でこなしている。パンに合った珈琲や紅茶、グラノーラも提案している。

TOPIC

阪神御影駅から南へ徒歩5分の住宅街にある「パンのお店ito」は、おいしさと豊富な種類で大人気のパン屋さん。お店情報はインスタグラムで発信しています。

インタビューを読む

おいしいパンと、
食事との相性の魅力

アルバイト先のホテルのレストランで頂いたパンのあまりのおいしさ。そしてパンとメニューとの絶妙な相性に驚きました。将来、パン屋なら毎日お客様に来てもらえるという夢を持って、25歳でキャリナリーに入学。特に現役講師は、流行を読む姿勢や考え方まで教えてくれました。卒業後は早くたくさんの技術を身につけようと、パン以外の食事部分にも力を入れる店を選びました。惣菜パンや焼き菓子、生菓子、サンドイッチのパテやリエットも自家製という店もありました。5つの店で修業して、自分の店は「選ぶ楽しさ」のある店にと、2017年に「パンのお店ito」を開きました。

60種類ものパンとの
出合いを楽しんで

学生時代からずっと続けているパン屋さん巡り。さらにレストランやカフェ、ケーキ屋さん、スーパーも回ります。なぜなら、そこは「こんな食材同士の組み合わせがあったか!」という驚きと発見の宝庫だからです。そこで得た学びは、パン作りに活かしています。自分のパンを買い求めてくださるお客様は、本当にありがたい。今はハード系から調理系まで、約60種類のパンを並べ「選ぶ楽しさ」を感じて頂いています。種類が多い代わり1種類の数は少ないですが、来店するたびに新たなパンとの出合いがあります。「出合う楽しさ」の場に、将来はカフェも出したいですね。

卒業生インタビュー×カフェ

コーヒーと和菓子の
マッチングは魅力的です

キッチンカー
huu わたしのわがし

天野 胡美さん

Profile

もともと和菓子が好きで、幼いころから食べていた小倉トーストから、コーヒーと和菓子が合うことはわかっていました。どこでもしていないことをしたいと思い、和菓子とコーヒーを提供するキッチンカーの営業を始めました。両親も自営業なので、入学前から独立を考えていたのです。実績を重ねて、将来は実店舗を持ちたいと思っています。

TOPIC

「huu わたしのわがし」の和菓子は、素材のおいしさを感じてもらうため、添加物を使わずに甘さをおさえ、国産の小豆や餅粉を使ってシンプルに作っています。

インタビューを読む

お客様の反応を
直接感じる楽しさ

オープンキャンパスで見たラテアートに影響を受け、飲食業をめざしました。ラテアートもそうですが、たとえばコーヒーなら温度や挽き方、お湯を注ぐタイミングなど、一つでも間違うと完成しません。それが楽しいと思ったのです。卒業後はカフェに就職しましたが、若者にあまり人気のない和菓子もコーヒーとペアリングすれば興味を持ってもらえるのではと考え、和菓子屋に転職したのち、独立しました。自営業の楽しさは、お客様の反応をダイレクトに感じられることで、コーヒーと和菓子のペアリングの魅力に気づいていただけると嬉しいです。

お子様連れや妊婦さんに
安心してもらえる知識を

ホスピタリティの授業でコミュニケーションを学んでよかったと思います。自分では笑顔のつもりでも、お客様にはそう見えていないこともあり、基礎から学ぶのは大事です。お子様連れや妊婦のお客様は添加物などに気を使いますから、美味しいだけでなく、健康・栄養・アレルギーにまで配慮した技術や知識が学べるようになったのは、素晴らしいと思います。また、コンテストに出場するため、勉強したり調べたり、提供スピードを上げる工夫をしたりしたのは良い経験です。働き始めると失敗ができませんから、学生のうちになるべくたくさんのコンテストに出てください。

卒業生インタビュー×調理

お客様の人生に寄り添える
愛や思いが伝わる
料理を提供したい

ララシャンス ガーデン 東京ベイ
和食料理長

中村 文香さん

Profile

ロゴマーク

福岡県出身。本校卒業後ララシャンスベルアミー鳥栖へ就職し、ララシャンスHIROSHIMA迎賓館勤務を経て現在のララシャンスガーデン東京ベイでは和食部門の責任者。衛生管理や原価管理、メニュー考案などの業務も行う。「愛を知ることから始まる」を信念に、気遣いやリスペクトを持って接することを常に心がけている。

TOPIC

会場内には客席と近い距離にオープンキッチンがある。香りや音、調理の様子など五感でお客様を楽しませることで、料理人も一緒に披露宴をおもてなししている。
式場はレインボーブリッジを見渡すことができる絶景のオーシャンビュー。

インタビューを読む

地域ならではの食材と演出で
ウェディングを彩る和食を提供

ララシャンスガーデン東京ベイでは結婚式やレストランの和食を担当しています。披露宴には巻き寿司や握り寿司を2段3段と重ねたウェディングケーキをお出しすることもありますよ。豊洲市場が近いので解体師さんと一緒にマグロの解体ショーを行うなど、東京ベイならではの演出も魅力です。私たちの会社は全体でみると7割が女性ですが、まだまだ世間ではホテルシェフに男性のイメージがあるので、管理職や各支店の料理長といった立場でも女性が活躍できる会社にしていきたい。まずは私がそこに挑戦し、その背中を見せていきたいです。

全てに愛を持って接することで
喜んでもらいたい思いが伝わる

私は全てに愛を持って接することを意識しています。食材や料理に対してだけでなく、お客様や一緒に働くスタッフとの人間関係も同じです。相手のことをよく知ろうとしなければ感謝の言葉や心配りも少なくなってしまう。対象を深くよく知ることが大切で、そこにリスペクトがなければ人に喜んでもらえる良いものはできないと思います。私は人が幸せや嬉しさを感じる時に、おいしい料理がそばにあってほしいと思っているので、これからもお客様の人生に寄り添える愛や思いが伝わる料理を提供していきたいです。

卒業生インタビュー×海外

自分を信じて
ゴールドコーストで
活躍のバリスタ

First Fruits Coffee
バリスタ/マネージャー

杉田 まいさん

Profile

ロゴマーク

カフェ総合本科2013年度卒業。日本の大手カフェチェーン店で店長をしながら競技会にも出場。海外で働く先輩に刺激を受け、退職後にオーストラリアのメルボルンで、バリスタとして研鑽を積む。4年前にゴールドコーストに移り住み、「First Fruits Coffee」でバリスタ兼マネージャーとして働く。

TOPIC

日本の麹に注目しています。オーストラリアでも発酵食品への関心は高く、コーヒー豆の発酵にも麹が使われ始めているので、麹を使ったメニューの考案やコーヒーの提供に挑戦したいです。

インタビューを読む

信頼を得て
バリスタからマネージャーへ

オーストラリアのゴールドコーストにある、おいしい食事やカフェが楽しめる開放的なカフェ「First Fruits Coffee」で働いています。自家焙煎のスペシャルティコーヒーの店で働きたいと希望して採用され、バリスタからスタート。現在マネージャーとして、コーヒー豆の焙煎や調理にも携わりながら充実した毎日を過ごしています。様々な民族が住むオーストラリアにいると、自分は日本人だと意識する瞬間がたびたびあります。私の強みは日本人であること。だからこそ日本人の良さである協調性や気持ち良いマナーを心がけています。

諦めなかったのは
バリスタとしての自信

卒業後、大手カフェチェーンで店長を務めながらバリスタの競技会へ出場するなど多忙だった頃、キャリナリーの先輩がオーストラリアのメルボルンでバリスタとして活躍していると聞き、自分も挑戦してみたいとメルボルンへ渡りました。しかしバリスタで評価されても英会話に難ありと、採用と解雇の繰り返し。それでも諦めなかったのは、バリスタとしての自分のスキルに自信があったからです。皆さんも「好きなこと」や「楽しい」を見つけたら、諦めずやり続けましょう。「継続は力なり」は本当です。チャンスを逃がさず、何でも貪欲に頑張ってください。