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業界スペシャルインタビュー

リシャール・ルデュさんのプロフィール写真

ペーアッシュ パリ ジャポン株式会社

滋慶学園COMグループ 名誉教育顧問
ピエール・エルメ・パリ アジア支部代表
ペーアッシュ パリ ジャポン株式会社 代表取締役社長

リシャール・ルデュ さん

フランス・クレモンフェラン生まれ。14歳から地元のレストランに入り’89年より菓子店で基礎を学ぶ。’92年「ピエール・ガニェール」で料理人として働き、同レストランでパティシエに転向。
’95年「フォション」でピエール・エルメ氏と出会い、’97年ピエール・エルメ氏がコンサルタントを務める「ラデュレ」のシェフパティシエに就任。’98年にホテルニューオータニでの「ピエール・エルメ・パリ」の立ち上げに際して来日。以来、日本での統括シェフパティシエを経て、日本代表とアジア支部代表を務める。

  • 山口

    パティシエ&ショコラティエコース
    2022年4月入学

    在校生山口さん

  • 清水

    パティシエ&ショコラティエコース
    2022年4月入学

    在校生清水さん

  • 池田

    パティシエ&ショコラティエコース
    2022年4月入学

    在校生池田さん

  • 安藤

    パティシエ&ショコラティエコース
    2022年4月入学

    在校生安藤さん

「人は財産」パティシエが大切にする人とのつながり

山口ルデュさんは、最初に料理人からスタートしたのですね。
ルデュそうです。14歳で料理人の世界に入り、レストランで働き始めました。
清水なぜ、お菓子の世界に移ったのですか。
ルデュ私からお客様に会いに行けるからです。パリのレストランで働いていた頃、数か月も続いた交通機関のストライキのために客足が途絶え、ついに閉店したことがありました。
そんな時、料理人はレストランでお客様をお待ちするしかありません。でもパティシエなら、ネットやカタログ販売ができるし、キッチンカーで売りに出られます。何より、お客様との出会いのチャンスが多いのが魅力ですね。
山口出会いですか。
ルデュ私は人との出会いを大切にしています。なぜならお客様や職人、ピエール・エルメとかかわる全ての人のおかげで、私の人生は大きく変わったからです。今も「自分はお客様に何をして差し上げられるだろうか」と考えていると、時間を忘れてしまいます。
安藤ルデュさんは、ピエール・エルメの味や文化を一番に考えていると思っていました。
ルデュもちろんピエール・エルメが培ってきた味や歴史は、とても大切にしています。しかしそれらを守るのは職人です。人なのです。私は約30年前に来日しましたが、その間に日本の社会もずいぶん変わり、お菓子を取り巻く世界も変わりました。
しかしそうした変化を起こすのも人間なら、変化にうまく合わせる職人も人間です。ピエール・エルメにとっても、私自身にとっても、人は財産。一番大切なものです。

相手を思う気持ちを形に常にプラスアルファのおもてなしを

清水ルデュさんは、本当に人を大事になさっていますね。
ルデュただ最近、昔の日本を懐かしく思うことがあります。
私は相手を思いやる、日本の文化が好きです。たとえば日本の贈り物の文化です。旅行のお土産や、季節のお歳暮やお中元、年賀状もそうですね。ほかの国にはないもので、素晴らしいと思います。
池田この2~3年、年賀状を出していません。SNSでメッセージを交換するくらいです。
ルデュそれがいけないとは言いませんよ。私もSNSを使ってプレゼントを贈るサービスを利用していますし、贈る方法はこれからも進化するでしょう。ただ、相手を思う気持ちまでなくさないでほしいのです。
日本に昔からある「相手を思う気持ちを形にして贈り合う」という素敵な文化は、ぜひこれからも残してほしいですね。
安藤ピエール・エルメでは、お客様へプレゼントなさっていますね。
ルデュ来店されたお客様やお子様へ、ちょっとしたプレゼントをご用意することがあります。それだけのことですが「ああ、この店は自分たちをよく見てくれている」と安心して頂けます。そうしたプラスアルファのおもてなしを大切にしています。
池田「相手を思う気持ちを形にして贈る」は、ピエール・エルメの精神なのですね。
僕も日頃の感謝を形で表すパティシエになるために、今年は年賀状を書きます!
一同(笑)

人と出会いを大切にすると面白いものが生まれる

池田私は将来、何をしたいかがわからず悩んでいます。
ルデュもちろん夢は大事です。ただ、夢を持ったからといって人生うまくいくものではありませんよ。人生の先輩としてアドバイスするなら、将来の夢は決めなくてもいいです。
池田そうなんですか?
ルデュ私は14歳の時、「世界中で仕事をしたい」と自分の人生の設計図を描きました。何歳で料理の基礎を学び、パリの有名店で働き、何歳で海外へ出て働くという風に描いた夢は、日本に来ることで叶いました。ところが、たった10年で夢を叶えたあとは苦労の連続で、人生について大いに悩んだものです。
そのような中でも必ずあるのが、人との出会いです。あなたも人との出会いを大切にして、彼らと深くコミュニケーションを取ってください。なぜなら面白いものというのは、人との出会いから生まれるものだからです。そこでできた目標や目的に向かって、毎日を楽しみながら生きていけたら最高ですよ。
安藤くじけそうになった時に「よし、頑張ろう」と思える原動力は何ですか。
ルデュ従業員のため、お客様のためという想いです。皆様のためにと思うと力が湧いてきます。それが苦境を乗り超えられた一番の原動力。自分のために、ではとても頑張れなかったと思いますね。
清水これからルデュさんが挑戦したいことは何ですか。
ルデュいい質問ですね。私は野菜作りに挑戦したいと思っています。私の故郷は農業、特にジャガイモ作りが盛んで、母もポテトパイなどのジャガイモを使った料理をたくさん作ってくれました。ポテトパイなら塩だけのシンプルな味付けだったりベーコンが入っていたりと、各家庭で味が違うんです。いわゆるおふくろの味ですね。
パンも自分の家の窯で焼いていたので、夏祭りは各家庭で焼いたパンを食べるのも楽しみでした。子どもの頃に自分の舌を育んでくれた食の文化を、もう一度楽しみたい。そして自分の子どもたちにも伝えたいと思っています。そんな風に様々な形で、これからも食の世界で挑戦を続けていきたいですね。