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業界スペシャルインタビュー

上島 達司さんのプロフィール写真

UCCジャパン株式会社

代表取締役会長

上島 達司 さん

1938年 神戸市生まれ。1961年 甲南大学経済学部卒業。1963年 上島珈琲株式会社入社。1980年 代表取締役社長 2009年 UCCグループ代表·代表取締役会長 2024年UCC ジャパン株式会社代表取締役会長に就任、現在に至る。
コーヒー業界団体では、全日本コーヒー協会の第4代会長、全日本コーヒー公正取引協議会·日本家庭用レギュラーコーヒー工業会·日本スペシャルティコーヒー協会の初代会長を歴任し、日本のコーヒー業界の発展に貢献。その功績が評価され、日本(藍綬褒章、旭日中綬章)を始め、コーヒー生産国(ブラジル、コロンビア、ジャマイカ、グアテマラ)、コーヒー消費国(米国、フランス)など、世界の多くの国·団体から勲章を受章。

  • 橋本

    カフェ総合マネジメントコース
    2024年4月入学

    在校生橋本さん

  • 福本

    カフェ総合マネジメントコース
    2024年4月入学

    在校生福本さん

  • 橋本

    農食&健康美コース
    2023年4月入学

    在校生橋本さん

  • 平宇

    調理コース
    2024年4月入学

    在校生平宇さん

相手の立場に立った楽しい「おもてなし」を考える

平宇私たちは授業でも、いつもお客様へのおもてなしを意識しています。上島会長にとってのおもてなしとは、何でしょうか。
上島おもてなしとは、お客様に楽しんでいただくことです。大切なのは、その当たり前をきちんとやり続けることです。
平宇何か特別なことをするのがおもてなしだと思っていました。当たり前を続けることなのですね。
上島そうです。でもそのためには「楽しい」とは何かを自分なりに考える必要があります。それができて初めて「今まで受けたことのない素晴らしいおもてなし」と評価されます。
それと、特別な体験も立派なおもてなしです。そのためには相手の立場に立って考えることです。
平宇相手の立場に立つことですか。
上島例えば酢飯で巻いたカリフォルニアロールをご存知ですか。最初に米国で海苔巻きを提供したとき、米国人は歯に海苔がつくのを嫌がったのです。
そこで気にせず食べられる形を日本人が考案し、今では日本のお総菜コーナーでも販売されています。
平宇日本の海苔巻きを押し通すのではなく、食べやすいようにと相手の立場に立って考え、生まれた食べ物なのですね。
上島日本人は昔から、海外の料理を自分たちの味覚に合わせてアレンジしてきました。食文化とは、こうした交流で改良され磨き上げられるものです。コーヒーも日本に入ってきた頃よりかなり品質が向上し、一般的なコーヒーとスペシャルティコーヒーの価格差も縮まりました。
これからは豆の質や挽き方、淹れ方よりも、お客様へのサービスや与える体験で勝負する時代へ変化しているように思います。

お客様が満足できる楽しみ方を、私たちから提供していく

松井上島会長はどのようなサービスや体験が良いと思われますか。
上島例えばコーヒー片手におしゃべりを楽しんだり、じっくり味わう時間を楽しんだりとコーヒーシーンには様々な楽しみ方があります。
例えばコーヒーをポットに入れてポットサービスにしたら、2 杯も3 杯も楽しめます。その際は保温性に優れたポットで提供したり、二重のカップで保温機能の高いものにしたり。
松井私は取っ手部分に小さな人形とかバラの花とか、そんなカップが好きです。そういうカップを使って提供するのも面白そうだと思いました。
上島良いですね。素敵なコーヒーシーンを、こちらからどんどんご提案していきたいですね。

ブラジルで奮闘した経験があるから、生産者の思いに耳を傾ける

福本上島会長はどのような思いで会社を継がれましたか。はじめからコーヒーに携わりたいと思っておられたのですか。
上島私が皆さんくらいの頃は、子は家業を継ぐのが当然という時代でそれを受け入れていました。その流れで大学2年生のとき、ブラジルに留学しました。大学の「ブラジル研究会」という団体を通じて、将来コーヒーに携わるならとブラジルへの交換留学生に選んでいただいたのです。
たった半年間でしたが、コーヒー栽培の現場をこの目で見、手伝い、現地の方々と英語やポルトガル語で奮闘した経験は濃密で、今も私の中で生きています。
福本そうしたご経験が、直営農園の経営にも反映されているでしょうか。
上島入社後も直営農園に赴き、生産者から生育具合や収穫、思いまでどんどん聞きました。
すると帰国して「今年のジャマイカのブルーマウンテンブレンドはね」と同じ説明をしても、現地を見て理解した私と、そうでない人とでは言葉の厚みが違いましたね。
福本コーヒー生産は重労働という話も聞きます。上島会長は、これから生産国がどのようになれば良いと思われますか。
上島私の夢は、コーヒーの実を摘む機械を作ることです。何しろコーヒーの実は、同じ木でも一粒ずつ赤く熟すスピードが違います。
だから一粒ずつ目で見て選んで、摘み取っていくしかありません。そこでAIを搭載した自動で摘む機械を開発できないかとあれこれ考えています。

感性を磨き、真似て学べば、自分だけのオリジナリティが確立される

橋本私は将来、ゆったりくつろいでコーヒーを楽しめる店を出したいと考えています。
上島それなら話題性をつくるため、他人と違うことに挑戦しましょう。と言ってもいきなりは難しいでしょうから、真似ることから始めましょう。真似して学ぶことです。すると「自分だったらこうしたい」とアイデアが生まれます。そうやって自身のオリジナリティを出してみてはいかがですか。そして感性を磨いてくださいね。
橋本上島会長の「感性」とは何でしょうか。
上島「感じる力」です。例えば先日アフタヌーンティーをいただいて、「このお皿が、もし色も形も多彩な和食器だったらどんなに見栄えが良いだろう」とワクワクしました。
また大阪・関西万博でウェルカムドリンク代わりにアラブのコーヒーをいただいたとき、神戸空港に降り立ったお客様にコーヒーを振る舞ったら喜ばれるのではと思いつきました。好奇心が強いので、日々、あれこれとアイデアを巡らせています。
橋本「こうだったらもっと良いのに」と、物事を楽しくするアイデアを出す力がすごいです。私も自分の店をああしよう、こうしようとアイデアを蓄えておきます。
上島期待しています。私の父が世界初の缶コーヒーを販売した当時は、散々批判されました。「初めて」はいろいろ言われるものです。
でも人と違うことをやるから、一歩も二歩も抜きんでることができます。ぜひ皆さんも自分のやりたいことに楽しく挑戦してください。